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AWSデータベース一覧と選定ガイド|最適なDB選択で運用効率化を実現

srest - スレスト -

2026.1.9

AWSデータベース一覧と選定ガイド|最適なDB選択で運用効率化を実現

AWSは用途に応じて最適化された多様なデータベースサービスを提供しており、リレーショナル、NoSQL、インメモリ、グラフ、時系列といった幅広いカテゴリをカバーしています。

これらのサービスはフルマネージド型として提供され、運用負荷を軽減しながら高可用性と拡張性を実現できる設計です。

本記事では、AWSが提供する主要データベースサービスの技術特性と活用方法、プロジェクト要件に応じた選定基準、オンプレミスからの移行戦略まで体系的に解説します。

1、AWSデータベースサービスの基本分類と全体像

AWSのデータベースサービスを理解するには、以下のような基本的な分類と全体像を押さえることが重要です。

・AWSが提供する主要なデータベースサービス
・リレーショナル・NoSQL・インメモリ型の特徴
・フルマネージドによる運用負荷の軽減

各サービスの特性や用途を把握し、自社のニーズに最適なデータベースを選定することで、運用効率とパフォーマンスを大きく向上させることができます。

(1)AWSが提供する主要なデータベースサービス

AWSは企業の多様なデータ要件に対応するため、用途別に特化した複数のデータベースサービスを提供しています。

カテゴリ

サービス名

主な特徴と用途

リレーショナル

Amazon Aurora

従来のアプリケーション、エンタープライズリソースプランニング (ERP)、顧客関係管理 (CRM)、eコマース

Key-value

Amazon DynamoDB

トラフィックの多いウェブアプリケーション、eコマースシステム、ゲームアプリケーション

インメモリ

Amazon ElastiCache

キャッシュ、セッション管理、ゲームリーダーボード、地理空間アプリケーション

ドキュメント

Amazon DocumentDB (MongoDB互換)

コンテンツ管理、カタログ、ユーザープロファイル

ワイドカラム

Amazon Keyspaces

機器のメンテナンス、フリート管理、ルート最適化のための大規模な産業用アプリケーション

グラフ

Amazon Neptune

不正検出、ソーシャルネットワーキング、レコメンデーションエンジン

時系列

Amazon Timestream

モノのインターネット (IoT) アプリケーション、DevOps、産業用テレメトリ

従来のRDBMSから、NoSQL、インメモリ、グラフ、時系列まで、幅広いデータベースタイプをフルマネージドサービスとして提供することで、運用負荷を軽減しながら各ワークロードに最適なデータベースを選択できます。

Amazon QLDBは2025年7月31日にサービス終了

Amazon QLDBは2024年7月以降新規登録が停止され、2025年7月31日にサービスの提供が終了しました。

既存ユーザーにはAurora PostgreSQLへの移行が推奨されています。

(2)リレーショナル・NoSQL・インメモリ型の特徴

各データベース型には明確な技術的特性があり、要件に応じた使い分けが重要です。ここでは、特に比較検討が多い3タイプ(リレーショナル/NoSQL/インメモリ)に絞って特性を整理します。

データベース型

主な特性

主なユースケース

代表的なサービス

リレーショナル

• ACID & ANSI SQL

基幹業務・ERP/オンライン決済/在庫・受注管理

Amazon RDS(MySQL 等)

NoSQL(キー値/ドキュメント/ワイドカラム)

• スキーマレスで柔軟

モバイル/IoT、ゲーム、高トラフィック Web、リアルタイム分析

Amazon DynamoDB

インメモリ

• データ常駐が RAM

キャッシュ層、セッションストア、リアルタイムランキング/ストリーム処理

Amazon ElastiCache

リレーショナル型はデータの一貫性が重要な場面で、NoSQL型は柔軟性とスケーラビリティが必要な場面で、インメモリ型は高速レスポンスが求められる場面でそれぞれ活用されます。

(3)フルマネージドによる運用負荷の軽減

従来のオンプレミス環境では、サーバー管理やOSパッチ適用、定期バックアップといった運用作業に多大な工数がかかっていました。AWSのフルマネージドデータベースサービスは、これらのタスクの多くを自動化・簡略化することで、運用負荷を軽減する仕組みを提供しています。

主な自動化機能は以下の通りです。

・サーバー管理・パッチ適用・バックアップの自動実行
・負荷に応じた自動スケーリングと障害時復旧支援
・リアルタイム監視とアラート通知

これまで数日かかっていた作業が数分から数時間で完了する可能性があり、エンジニアはインフラ保守から解放され、システムの価値創出により多くの時間を割けるようになることが期待されます。

2、AWSの主要データベースサービス

AWSでは、用途や要件に応じて選択できる多様なデータベースサービスを提供しています。

ここでは、主要な6つのサービスカテゴリについて詳しく解説します。

・Amazon RDS
・Amazon Aurora
・Amazon DynamoDB
・Amazon Redshift
・Amazon ElastiCache / Amazon MemoryDB
・その他|Neptune・Timestream・DocumentDB

それぞれのサービスは用途やデータ型、スケーラビリティ要件に応じて選定されるべきです。ニーズに合ったサービスを選ぶことで、運用コストを抑えつつ最適なパフォーマンスを実現できるでしょう。

(1)Amazon RDS

Amazon RDSは、AWSが提供するフルマネージドなリレーショナルデータベースサービスです。MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle Database、Microsoft SQL Server、Amazon Aurora(MySQL/PostgreSQL互換)、RDS Custom for Oracle、RDS Custom for SQL Serverの合計8種類のエンジンから選択できます。

既存のコードやアプリケーションを多くの場合そのまま利用でき、データベース管理の専門知識が限定的でも運用を始められる設計となっています。マルチAZ配置により障害時の自動フェイルオーバーを実現し、月間稼働率が99.95%を下回った場合にサービスクレジットが適用されるSLA(サービスレベルアグリーメント)を提供しています。

バックアップやソフトウェアパッチの適用、障害検出・復旧まで自動で処理される機能により、運用負荷を軽減可能です。料金は使用した分だけの従量課金制で、初期費用やセットアップ料金はかかりません。

(2)Amazon Aurora

Amazon Auroraは、AWSが独自開発したクラウドネイティブなリレーショナルデータベースです。MySQL・PostgreSQLとの互換性を保ちながら、AWSの公式ベンチマークによると、従来のMySQLと比較して最大5倍、PostgreSQLと比較して最大3倍のスループットを実現します。

運用面では10GB単位でのストレージ自動スケーリング(最大256TiBまで対応)により、容量管理の負担を軽減可能です。

サーバーレス版のAurora Serverlessでは、使用量に応じた従量課金制でコストを最適化できます。適切な設計により、商用データベースと比べてコスト削減も期待できます。

(3)Amazon DynamoDB

Amazon DynamoDBは、AWSが提供するフルマネージド型のNoSQLデータベースサービスです。キーバリュー型とドキュメント型の両方に対応し、サーバー構築やパッチ適用が不要なサーバーレス環境を実現します。

主な特徴は、適切に設計された場合のミリ秒単位の応答と自動スケーリング機能にあります。トラフィックに応じてキャパシティを自動調整し、設計によっては1秒あたり数百万リクエストまで処理可能です。

性能を最適化するには、アクセスパターンに基づいたパーティションキーの選択が重要です。パーティションキーの値によってデータの保存場所が決まるため、適切な設計により負荷分散とコスト最適化を実現できる可能性があります。Webアプリケーションやモバイルアプリ、IoTシステムなど、高トラフィックが予想される用途によく採用されています。

(4)Amazon Redshift

Amazon Redshiftは、ペタバイト級の大容量データに対して高速分析を目指す、フルマネージドなデータウェアハウスサービスです。

列指向ストレージとMPP(大規模並列処理)アーキテクチャの組み合わせにより、従来のデータベースと比べて多くの場合で処理速度向上を実現しています。列ごとにデータを管理・圧縮することで、必要な列のみを効率的に読み込み、ディスクI/Oを削減する仕組みです。

Redshift Spectrumを活用すると、Amazon S3に保存されたデータに対して直接クエリを実行でき、データ取り込みコストを抑えながら効率的な分析が可能になる場合があります。BIツールとの連携も容易で、定型レポートからアドホックな分析まで、幅広い用途に対応できる設計となっています。

(5)Amazon ElastiCache / Amazon MemoryDB

Amazon ElastiCacheとAmazon MemoryDBはどちらもインメモリ型のキャッシングサービスですが、用途と特徴が異なります。

ElastiCacheはRedisやMemcached互換のキャッシュサービスで、既存データベースのアクセス高速化に特化しており、適切な実装により1ミリ秒未満の高速レスポンスを実現できます。RDSなどの読み取り高速化、セッション管理、リアルタイムランキングといったキャッシュ用途で広く採用されています。

一方、Amazon MemoryDBはRedis互換でありながらデータの永続化機能を備えており、障害発生時でもデータ損失リスクを低減できる設計です。信頼性・耐久性も重視したいアプリケーションや、キャッシュとデータベースの両方の役割を担わせたいケースに向いています。

(6)その他|Neptune・Timestream・DocumentDB

AWSでは特定の用途に最適化された専門的なデータベースサービスも提供しています。

サービス

データ型

主要ユースケース

Neptune

グラフ型

不正検知・SNS分析・レコメンデーション

DocumentDB

ドキュメント型(MongoDB互換)

ECサイト・コンテンツ管理・カタログ

Timestream

時系列データ

IoT・メトリクス・モニタリング

これらのデータベースサービスは、それぞれ特定のデータモデルとアクセスパターンに最適化されており、用途に応じて適切なサービスを選択することで、パフォーマンスとコスト効率を最大化できるでしょう。

3、プロジェクト要件別データベース選定ガイド

プロジェクトの要件に応じた最適なデータベースを選定するためには、以下のような観点から総合的に判断することが重要です。

・ワークロードの特性
・パフォーマンスとスケーラビリティ
・セキュリティとコスト
・オンプレミスからの移行

各観点ごとに要件を明確化し、AWSの豊富なサービスから最適な選択を行うことで、パフォーマンス向上・コスト削減・運用効率化を同時に実現できます。

(1)ワークロードの特性

データベース選定において最初に取り組むべきなのが、ワークロードの特性分析です。まず、データ量・アクセスパターン・成長予測の分析から始めましょう。読み書き頻度と同時接続数を把握することで、データベースに求められる負荷特性が見えてきます。

例えば、高速なトランザクション処理が必要なシステムでは、Amazon AuroraやRDSのような処理能力の高いサービスが適している場合が多く見られます。

次に、トランザクション整合性要件の整理が重要です。厳密なACID特性が必要か、結果整合性で十分かを判断することで、リレーショナルデータベースとNoSQLの選択指針が決まります。

リアルタイム処理が求められるアプリケーションにはDynamoDBが適している可能性がありますが、アドホッククエリがあるワークロードではリレーショナルデータベース(Aurora/RDS など)が適している場合があります。

(2)パフォーマンスとスケーラビリティ

性能要件を正確に把握するには、読み書き頻度や同時接続数、将来的なデータ量増加を事前に分析することが重要です。特に、平均アクティブセッション(AAS)がvCPU数を超える場合、パフォーマンス問題が発生する可能性があるため、適切な負荷設計が推奨されます。

Amazon Auroraは、AWSのベンチマークによると従来データベースと比較して最大3~5倍のスループットを実現する可能性があり、自動スケーリング機能により負荷変動に応じたリソース調整が可能です。また、AWS Graviton3ベースのインスタンスでは、AWSの測定によると従来より平均29%多くのクエリ実行とレイテンシ26%削減を達成できる場合があります。

高いパフォーマンスを維持するためには、リードレプリカによる読み取り負荷分散、ElastiCacheなどインメモリキャッシュの活用、マルチAZ配置による可用性確保を総合的に検討することが推奨されます。

(3)セキュリティとコスト

AWSデータベースサービスでは、全サービス共通でIAMによるアクセス制御、データの暗号化、VPC分離といったセキュリティ基盤が提供されています。責任共有モデルに基づき、AWS側がインフラレベルの保護を担い、ユーザー側はアプリケーション層の設定を管理する仕組みです。

セキュリティ要件

主な考慮ポイントとサービス機能の例

基本的なセキュリティ

IAMによるアクセス制御・VPCによるネットワーク分離・データ暗号化

高度な監査とコンプライアンス

Auroraの監査ログ機能(Advanced Auditing)・RDSデータベースアクティビティストリーム・CloudTrail連携

詳細なアクセス権限管理

DynamoDB項目レベルアクセス制御・RDSロールベースアクセス制御

コスト特性

従量課金型(DynamoDB、RDS等)・リザーブドインスタンスによる割引や、Aurora/RDSでのSavings Plansによる長期利用割引

コストは従量課金制が基本で、ストレージ使用量や処理リクエスト数に応じて課金されます。セキュリティ要件と予算のバランスを取り、運用コストも含めた総所有コストで判断することが大切です。

(4)オンプレミスからの移行

オンプレミス環境からAWSへデータベースを移行する際は、まず既存システムの現状分析を行い、移行対象となるAWSサービスとのマッピングを実施することが重要です。

例えばMySQL環境であればAmazon RDS for MySQLやAurora MySQL互換エディションなど、互換性を重視した移行先を選定するケースが多く見られます。

移行手法として、AWS Database Migration Service(DMS)を活用した段階的移行が効果的な場合があります。DMSでは初回データ移行に加え、継続的なレプリケーション機能で差分データを同期し、多くのケースでダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

移行完了後は、Auto Scalingやリードレプリカの活用、ストレージタイプの見直しなど、AWSクラウド特有の機能を活用した性能チューニングとコスト最適化を検討することが推奨されます。

4、まとめ

本記事では、AWSが提供する多様なデータベースサービスについて解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

・AWSは15種類以上の主要データベースサービスを提供
・リレーショナル・NoSQL・インメモリ型それぞれに明確な特性がある
・フルマネージドサービスにより運用負荷を軽減
・ワークロード・パフォーマンス・セキュリティ・コストの観点から選定
・オンプレミスからの移行はDMSなどのツールを活用

データの種類や用途、パフォーマンス要件によって最適解は大きく変わります。リレーショナルデータベースからNoSQLまで、それぞれの特徴を理解することで、運用効率の向上とコスト最適化を同時に実現できる可能です。

特に、サービスの最新状況や仕様変更については、AWS公式ドキュメントで定期的に確認することを推奨します。ぜひこの記事を参考に、自社のプロジェクトに最適なAWSデータベースサービスの選定を検討してみてください。

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