

2024.12.20
AWSマルチアカウントとは、1つのAWS利用環境に全てのシステムを集約し管理するのではなく、複数のAWSアカウントを使用してAWS利用環境を使い分ける管理方法です。
マルチアカウントで構成すると、セキュリティの強化、運用効率の向上、コスト最適化など、多くのメリットをもたらす一方で、その導入と管理には複雑さが伴います。
本記事では、AWSマルチアカウントの必要性から具体的な導入方法、効率的な運用方法、そして注意点を解説します。
クラウドサービスの利用拡大に伴い、セキュリティリスクの増加やシステムの複雑化による管理コストの増大が課題となっています。
これらの課題を解決するために、AWSでは複数のアカウントを使い分ける「マルチアカウント」という構成が推奨されています。
事業成長に伴うセキュリティ強化の必要性、部門別コスト管理の重要性、ガバナンスとコンプライアンスへの対応、そしてスケーラビリティと柔軟性の確保が求められ、複数の環境を1つのアカウントで管理するシングルアカウントでは対応が難しくなっているのが現状です。
そこでより安全で効率的なクラウド環境を実現するマルチアカウント環境を選択する企業が増えています。
次章では、マルチアカウントのメリットについてさらに詳しく解説します。
前章「1、AWSマルチアカウント環境の必要性」の内容を踏まえ、本章ではAWSマルチアカウント環境を導入することで得られるメリットを紹介します。
今回ご紹介するメリットは、以下の3つです。
セキュリティ向上
運用管理の効率化
コスト最適化
AWSでは、リソースへのアクセスはIAMユーザーやロールを通じて行います。 しかし、単一のアカウントで全てのユーザーを管理していると、権限が集中してしまい、セキュリティリスクが高まります。 そこで、AWSマルチアカウントでアカウントを分離することで、権限を適切に分割し、セキュリティを向上できます。
例えば、開発環境、テスト環境、本番環境など、目的別にアカウントを分けることで、以下のような効果が期待できます。
環境 | アクセス権限 |
|---|---|
開発環境 | 開発担当者のみアクセス可能 |
テスト環境 | 開発、運用担当者がアクセス可能 |
本番環境 | 開発、運用担当者、ユーザーがアクセス可能 |
このように、アカウントを分離することで、必要な環境に必要な人のみがアクセスできるようになり、セキュリティリスクを軽減できます。
AWS環境の規模が大きくなってくると、運用管理の負荷も増大します。それに伴い、セキュリティリスクも高まります。具体的には下記のリスクがあります。
以下、運用煩雑化によるセキュリティリスクの一例です。
単一アカウントで複数のサービスを運用している場合などは、横断した設定管理や監視、運用作業は煩雑になり、ミスや抜け漏れが発生する。
アクセス権限の設定ミスやセキュリティアップデートの不足などにより、セキュリティ脆弱性が発生する可能性がある。
運用が煩雑化することで上記のようなリスクを伴うので、AWSマルチアカウントの導入で運用を効率化することが有効な解決策となります。
AWSでは、サービスごとに細かく料金が設定されています。そのため、複数のプロジェクトや部門で単一のアカウントを共有していると、どのプロジェクトや部門がどのサービスをどれだけ利用したのか、コストの内訳を把握することが難しくなります。
マルチアカウント化することで、アカウントごとにプロジェクトや部門を明確に分けられます。結果として、どのプロジェクトや部門がどの程度の費用を発生させているのかを把握することが容易になります。 費用の可視化は、無駄なコストの削減や、より正確な予算計画の立案に役立ちます。
AWSマルチアカウント環境下では、セキュリティ対策を行う対象のアカウントが増えるため、適切な対策を紹介します。
AWS Organizationsを活用した一元管理
IAMによるアクセス制御
ログの収集と分析
ネットワークセキュリティの強化
インシデント発生時の対応策
これらの対策を組み合わせることで、包括的なセキュリティ体制を構築できます。
AWS Organizationsは、複数のAWSアカウントを一元管理するためのサービスです。AWSマルチアカウント環境において、セキュリティ対策と運用効率化の両面で中心的な役割を担います。
Organizationsでは、アカウントを階層構造で整理できます。
組織のルート(Organizationsを作成すると自動的に作成されるアカウント)直下にアカウントを配置したり、組織単位(OU: Organizational Unit)を作成してアカウントをグループ化したりできます。
Organizationsを活用した一元管理により、以下の効果が期待できます。
セキュリティポリシーの一元適用によるセキュリティ強化
アカウント管理の自動化による運用効率化
コストの可視化と最適化
Organizationsは、AWSマルチアカウント環境の基盤となる重要なサービスです。
AWSマルチアカウント環境において、IAM(Identity and Access Management)によるアクセス制御はセキュリティ対策において重要です。
IAMを利用することで、ユーザーやグループに対して、AWSリソースへのアクセス権限をきめ細かく設定できます。
適切なIAM設定を行うことで、以下のセキュリティ上のメリットがあります。
不正アクセスの防止
データ漏洩リスクの軽減
コンプライアンス要件への対応
例えば、開発チームには開発環境へのアクセス権のみを付与し、本番環境へのアクセスは制限するといった設定が可能です。また、管理者アカウントの権限を最小限に抑え、必要に応じて一時的なアクセス権を発行することで、セキュリティリスクを大幅に低減できます。
AWSマルチアカウント環境では、セキュリティ対策としてログの収集と分析は非常に重要です。複数アカウントに分散されたログを一元的に管理し、セキュリティインシデントの早期発見、原因分析、影響範囲の特定に役立てます。
AWSが提供するサービスを活用することで、効率的かつ網羅的なログ収集・分析体制を構築できます。いくつかサービスを紹介します。
サービス | 概要 |
|---|---|
AWS CloudTrail | AWSアカウント内で行われたAPIコールの履歴を記録 |
AWS Config | AWSリソースの設定履歴を記録し、変更管理やコンプライアンスチェックに活用 |
Amazon GuardDuty | 機械学習を用いて悪意のあるアクティビティを検出 |
Amazon Athena | 標準SQLを用いて、大量のログデータに対して高速なクエリを実行 |
これらのサービスを組み合わせることで、セキュリティイベントの発生時に迅速に調査を行い、適切な対応策を講じることができます。また、分析結果に基づいてセキュリティポリシーの改善や、潜在的なリスクの軽減にも繋げることが可能です。
AWSマルチアカウント環境では、アカウント間の通信を適切に制御し、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑えることが重要です。
AWSでは、ネットワークセキュリティ強化のために以下のサービスを活用した対策が有効です。
サービス名 | 概要 |
|---|---|
AWS Transit Gateway | 複数アカウントのVPCを接続し、一元的なネットワーク管理を実現します。ルーティングの集中管理やセキュリティポリシーの一貫性を確保することで、ネットワークの可視化と制御を強化できます。 |
AWS Network Firewall | ネットワークレベルでトラフィックを検査し、不正なアクセスや脅威からAWS環境を守ります。AWSマネージドルールやカスタムルールを設定することで、柔軟かつ強力なネットワーク保護を実現できます。 |
AWS Security Groups | インスタンスレベルでインバウンド・アウトバウンドトラフィックを制御する仮想ファイアウォールです。許可されたトラフィックのみを許可することで、アプリケーションへの不正アクセスを防止します。 |
AWS PrivateLink | VPC間のプライベート接続を提供し、インターネットを経由せずに安全なデータ通信を実現します。 |
AWS VPC Endpoints | VPCからAWSのサービスへのプライベート接続を提供します。インターネットを経由しないため、セキュリティリスクを低減できます。 |
これらのサービスを組み合わせることで、多層的なネットワークセキュリティ対策を実施し、AWSマルチアカウント環境全体のセキュリティ体制を強化できます。
AWSマルチアカウント環境では、インシデント発生時の迅速かつ適切な対応が、被害の拡大を防ぎ、システムの継続的な運用を維持する上で重要となります。 そのためには、事前に対応手順を策定し、関係者間で共有しておくことが不可欠です。
具体的には、以下の対応を迅速かつ的確に実行できる体制を整えておく必要があります。
インシデントの検知と影響範囲の特定
関係者への連絡(AWSサポートを含む)
事前に策定した対応手順書に基づいた対応
影響範囲の隔離(影響を受けているアカウントの切り離しや、サービスへのアクセス制限など)
復旧作業(データの復旧、システムの再起動など)
インシデントの原因分析と再発防止策の実施
AWSマルチアカウント環境のセキュリティ対策には、包括的なアプローチが必要です。
AWS Organizationsによる一元管理、IAMでのアクセス制御、セキュリティログの分析、ネットワークセキュリティの強化、そしてインシデント対応策の準備が重要です。
これらの対策を適切に組み合わせ、AWSのセキュリティサービスを活用することで、複雑なクラウド環境でも強固なセキュリティ体制を構築・維持できます。
AWSマルチアカウント環境では、運用効率化が重要な課題となります。ここでは、そのためのベストプラクティスを紹介します。
AWS Control Towerの活用
Infrastructure as Code (IaC)の活用
各種AWSサービスの活用
アカウント間連携を効率化
運用コストの可視化と最適化
ログの一元管理と監視体制の構築
AWS Control Towerは、AWSマルチアカウント環境のセットアップとガバナンスを自動化するサービスです。 AWS Control Towerを活用することで、アカウントの作成からセキュリティ設定、運用ルール適用までを一元的に管理できます。
具体的には、以下のような作業を自動化できます。
作業内容 | 説明 |
|---|---|
アカウントの作成 | 事前に定義した設定に基づいて、AWSアカウントを自動で作成できます。 |
セキュリティ設定の適用 | ガードレールと呼ばれる、AWSが推奨するセキュリティ設定を適用できます。 |
運用ルール適用 | AWS Configルールなどを活用して、組織全体で統一された運用ルールを適用できます。 |
AWS Control Towerの活用により、アカウント管理の自動化とガバナンス強化を実現できます。
Infrastructure as Code (IaC) は、コードを用いてインフラストラクチャの構成を定義・管理する手法です。AWSマルチアカウント環境では、IaCを活用することで、以下のようなメリットがあります。
コードを実行するだけで、複数アカウントへのリソースのプロビジョニングや設定が自動化され、迅速な環境構築が可能になります。
コードでインフラストラクチャを定義することで、環境間の構成のばらつきをなくし、一貫性を保つことができます。
インフラストラクチャの変更はコードを通じて行われるため、変更履歴が追跡可能となり、問題発生時の迅速な復旧も容易になります。
AWSでは、CloudFormationやTerraformといったIaCツールが利用可能です。これらのツールを活用することで、AWSマルチアカウント環境の構築・管理を効率化し、セキュリティリスクを低減することができます。
AWSには、運用タスクの自動化に役立つさまざまなサービスが用意されています。これらのサービスを活用することで、運用効率を大幅に向上させることができます。
サービス名 | 概要 |
|---|---|
AWS Systems Manager | インスタンスへのソフトウェアのインストール、パッチの適用、スクリプトの実行などを自動化できます。 |
AWS Lambda | サーバーレスでコードを実行できるため、定期的なタスクやイベント駆動型のタスクの自動化に適しています。 |
AWS CloudFormation | テンプレートを使用してAWSリソースを定義し、プロビジョニングを自動化できます。 |
これらのサービスを組み合わせることで、例えば、新規アカウント作成時の初期設定やセキュリティ設定、定期的なバックアップ、リソースの監視などを自動化できます。
AWSマルチアカウント環境では、アカウント間の連携が頻繁に発生します。例えば、あるアカウントのリソースから別のアカウントのリソースへアクセスするケースなどです。しかし、アカウントが増えるにつれて、この連携が複雑化し、非効率になる可能性があります。
アカウント間連携を効率化するためには、以下の様な方法が考えられます。
AWS Transit GatewayやAWS PrivateLinkなど、AWSが提供するサービスを活用して、セキュアかつ効率的なアカウント間接続を実現します。
共通で利用するサービスをまとめて管理するアカウントを用意することで、アカウント間の依存関係を減らし、運用をシンプルにします。
アカウント間連携を自動化するスクリプトを導入することで、人為的なミスを減らし、作業効率を向上させます。
これらの方法を組み合わせることで、AWSマルチアカウント環境でも、セキュアかつ効率的なアカウント間連携を実現できます。
AWSマルチアカウントでは、アカウントごとに発生するコストを可視化し、分析・最適化することが重要になります。これを怠ると、アカウント数増加に伴いコストが膨れ上がり、全体像の把握が困難になる可能性があります。
可視化と最適化には、以下のようなAWSサービスや機能を活用します。
サービス名 | 概要 |
|---|---|
AWS Cost Explorer | アカウントやサービスごとのコストを分析・グラフ化し、傾向を把握 |
AWS Budgets | 予算を設定し、超過をアラート通知することでコストの超過を抑制 |
AWS Cost Anomaly Detection | 機械学習を用いて異常なコスト発生を検知し、早期対応を可能に |
AWS Cost and Usage Report (CUR) | 詳細なコスト・使用状況データを分析し、無駄なリソースを特定 |
これらのツールを活用することで、以下の様なコスト最適化施策を効率的に実行できます。
使用していないリソースの特定と削除
リソースの適切なサイズ変更(Rightsizing)
予約インスタンスやSavings Plansの活用
コスト効率の高いAWSリージョン・アベイラビリティゾーンの選択
これらの取り組みを通じて、AWSマルチアカウント環境におけるコストを最適化し、効率的な運用を実現できます。
AWSマルチアカウント環境では、各アカウントから生成される大量のログを適切に管理し、分析することが重要になります。ログの一元管理と監視体制を構築することで、セキュリティ脅威への迅速な対応、運用状況の可視化、問題発生時の原因究明などを効率的に行うことができます。
AWSには、ログの一元管理と監視に役立つサービスが複数用意されています。
サービス名 | 概要 |
|---|---|
Amazon CloudWatch Logs | 各サービスからログを収集、分析、可視化 |
AWS CloudTrail | AWSアカウント内で行われたAPIコールの履歴を記録 |
Amazon Athena | S3に保存された大量のログデータをインタラクティブに分析 |
これらのサービスを組み合わせることで、マルチアカウント環境全体のログを統合的に管理・監視できます。例えば、CloudWatch Logsで各アカウントのログを収集し、Athenaで大規模な分析を行い、CloudTrailでAPIアクティビティを監視するといったことが可能です。
さらに、これらのログをセキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)などの外部システムに連携することで、より高度な分析やインシデント対応が可能になります。
ログの一元管理と監視体制の構築は、AWSマルチアカウント環境におけるセキュリティと運用効率を向上させる上で非常に重要な要素です。
AWSマルチアカウントを導入する際には、綿密な計画と準備が成功への鍵となります。ここでは、導入における重要なポイントを4つ解説します。重要なポイントは下記4つです。
目的を明確にする:現状分析と要件定義
アカウント設計とセキュリティポリシー策定
ツールの適切な選定と導入
運用体制の構築と継続的な改善
これらのポイントを踏まえ、段階的に導入を進めることで、安全かつ効率的なAWS環境の構築を目指しましょう。
AWSマルチアカウントを導入する目的を明確化し、現状の課題や将来的な要件を洗い出すことが重要です。
現状分析では、既存のAWS環境や運用体制を可視化し、以下の項目について現状を把握します。
現状のAWSアカウント数
各アカウントで利用しているAWSサービス
アカウント間、リソース間の依存関係
既存アカウントにおけるセキュリティ対策状況
現在の運用体制や担当者、運用手順
AWS利用料金の現状把握と課題
これらの現状分析結果に基づき、マルチアカウント導入によって解決すべき課題や実現したい要件を明確に定義します。例えば、「セキュリティ強化」「運用効率化」「コスト最適化」といった具体的な目標を設定します。
AWSマルチアカウントを導入する際には、適切なアカウント設計とセキュリティポリシーの策定が不可欠です。
まず、AWSアカウントをどのように分割するのかを決定します。
分類 | 説明 |
|---|---|
開発環境 | 開発者がアプリケーションやサービスを構築・テストするための環境 |
ステージング環境 | 開発環境で構築したアプリケーションやサービスの本番環境へのリリース前に、動作確認や統合テストを行うための環境 |
本番環境 | 実際にユーザーにサービスを提供するための環境 |
次に、各アカウントに対して適用するセキュリティポリシーを定義します。
アクセス権限
ネットワーク設定
データ暗号化
ログ取得
これらを事前にしっかりと設計・策定しておくことで、安全かつ効率的なAWS環境を構築できます。
AWSマルチアカウント運用を効率化し、セキュリティを向上させるためには適切なツールの選定と導入が欠かせません。 AWSが提供するマネージドサービスに加え、サードパーティ製のツールも組み合わせることで、より効果的にマルチアカウント管理を実現できます。
分野 | 代表的なツール | 概要 |
|---|---|---|
アカウント管理 | AWS Organizations、AWS Control Tower | 複数アカウントの一元管理、ポリシー適用、アカウント作成の自動化などを実現 |
IAM管理 | AWS IAM Identity Center (旧 AWS Single Sign-On) | 複数アカウントへのシングルサインオン、アクセス権限の一元管理を実現 |
セキュリティ監査 | AWS CloudTrail、AWS Security Hub | ログの収集・分析、セキュリティ設定のチェックなどを自動化 |
コスト管理 | AWS Cost Explorer、AWS Budgets | 複数アカウントのコストを一元的に可視化、予算管理を自動化 |
これらのツールを適切に組み合わせることで、アカウント管理、セキュリティ、コスト管理など、多岐にわたる運用負荷を軽減できます。 導入前に、自社の要件に最適なツールを比較検討し、段階的に導入を進めることが重要です。
AWSマルチアカウント運用では、適切な運用体制の構築と継続的な改善が不可欠です。 責任範囲と権限を明確にした上で、以下のような運用体制を構築する必要があります。
役割 | 責任と権限 |
|---|---|
アカウント管理者 | アカウントの作成・管理、セキュリティポリシーの策定 |
セキュリティ担当者 | セキュリティ監査、インシデント対応 |
運用担当者 | システム運用、監視、障害対応 |
また、継続的な改善を行うためには、運用状況を定期的に見直し、課題を洗い出して改善策を検討することが重要です。 例えば、運用状況に関するメトリクスの収集や、チーム内での情報共有を積極的に行うことで、運用体制の成熟度を高めることができます。
AWSマルチアカウントは多くのメリットがある一方で、導入前に注意すべき点がいくつかあります。
まず、アカウントが増加することによる管理工数の増加が挙げられます。従来の単一アカウント運用と比較して、アカウント管理、セキュリティ設定、運用監視などのタスクが複雑化するため、適切なツールや体制を整備しなければ運用負荷が大きくなってしまう可能性があります。
また、マルチアカウント環境の構成や運用は複雑になる傾向があり、専門的な知識やスキルが求められます。適切な設計や運用体制を構築するため、AWSの専門知識を持った人材の育成や外部の専門家の活用を検討する必要があるでしょう。
AWSマルチアカウントを導入すると、アカウントが増加することによる管理工数の増加は避けられません。具体的には、アカウント作成、ユーザー管理、権限設定、セキュリティ監査、請求管理といったタスクがアカウントごとに発生します。
管理項目 | 説明 |
|---|---|
アカウント作成 | 必要な数のAWSアカウントを作成し、初期設定を行います。 |
ユーザー管理 | アカウントごとにIAMユーザーを作成し、適切な権限を付与する必要があります。 |
権限設定 | 各アカウントのサービスやリソースへのアクセス権限を、IAMポリシーを使用して設定します。 |
セキュリティ監査 | 各アカウントのセキュリティ設定やアクティビティログを定期的に監査する必要があります。 |
請求管理 | 各アカウントのAWS利用料金を把握し、予算管理を行う必要があります。 |
これらの管理タスクを手作業で行うと、大きな負担がかかり、ミスが発生する可能性も高まります。そのため、AWSマルチアカウントを運用する際には、アカウント管理の自動化や効率化を図ることが重要です。
AWSマルチアカウントは、セキュリティと運用効率の向上を実現する一方、アカウントが増加することによる構成や運用の複雑化という課題も生じます。それぞれのアカウントに対する適切な設定や管理が必要となり、専門的な知識が求められます。
項目 | 説明 |
|---|---|
構成管理 | 各アカウントのサービス設定、ネットワーク構成などを適切に管理する必要がある |
セキュリティ管理 | 各アカウントのアクセス制御、セキュリティログ監視などを適切に設定・運用する必要がある |
コスト管理 | 各アカウントのリソース使用状況を把握し、無駄なコストが発生していないか確認する必要がある |
これらの複雑さを解消するために、AWSのマネージドサービスやサードパーティツールを活用し、専門知識を持ったエンジニアによる設計・構築・運用体制を整備することが重要となります。
AWSのマルチアカウント環境は、セキュリティの向上や運用効率化、コスト最適化など多くのメリットを提供しますが、適切なセキュリティ設定や、運用体制を構築しなければ管理工数の増加や運用の複雑化を招くといった課題が存在します。
弊社では上記の課題を解決するためにAWS横断監視ツール「srest」を提供しています。
本章では、srestを活用したAWSマルチアカウント環境下での効率化についてご紹介します。
srestは、複数のプロダクトを横断的に監視する目的で開発されたサービスです。
マルチアカウント環境にすることでアカウント毎に生じるログやコストの情報を1か所に集約することで情報の分散を防ぎます。これによりログや通知の見逃しを防ぎ障害の予防に繋げることが可能です。
複数プロダクトのサービスレベル目標を一覧で表示
アカウント、プロダクト単位などでコスト情報を可視化することができ、どこでコスト上昇しているのかいち早く見つけ無駄なコストの削減につなげることができます。
サービス軸やプロバイダー軸等で期間別にコスト状況を可視化
スイッチングコストをかけることなく、一元化されたダッシュボード上でログをフィルタリング・検索することが可能です。また、抽出したログに対してタスクを設定することで対応の優先順位付けや対応漏れを防ぐことができます。
ログベースでタスク化し、優先度・担当者などを紐づけて管理
AWSマルチアカウント構成は、セキュリティの強化、運用効率の向上、コスト最適化を実現する上で非常に有効なアプローチです。しかし、その導入と管理には複雑さが伴い、適切なツールと戦略が必要となります。
AWSをマルチアカウント構成で運用されている方は、ぜひsrestの活用もご検討ください。
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srestはAWS ファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)の認証を取得しています
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