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AWS WAFのコストを徹底解説!料金計算例と4つの節約術 

srest - スレスト -

2025.11.25

AWS WAFのコストを徹底解説!料金計算例と4つの節約術 

AWS WAFはWebアプリを攻撃から守る強力なファイアウォールですが、料金体系が少し複雑で、想定外のコストが発生することも。

料金は主に3つの要素で決まるため、仕組みを理解すればセキュリティを保ちながらコストを最適化できます。

今回は、AWS WAFの料金が決まる3つの要素から、具体的な料金シミュレーション、明日から実践できる4つのコスト削減戦略まで詳しく解説します。

1、AWS WAFの料金が決まる3つの主要な要素

AWS WAFの料金は、以下のような3つの主要項目に分かれています。

・Web ACL料金 (基本料金)
・ルール料金
・リクエスト料金 (従量課金)

これらのコスト構造を理解し、Web ACLとルール数の最適化や不要トラフィックの削減を徹底することで、WAF運用に伴う出費を効率的に抑えられます。

(1)Web ACL料金 (基本料金)

Web ACL(Web Access Control List)はAWS WAFを利用する際に必要なコンポーネントです。1つあたり月額5ドルの基本料金がかかります。

この費用は時間単位で按分計算されます。そのため、例えば月途中でWeb ACLを削除した場合、利用時間に応じた金額のみが請求されます。

基本料金は固定費として常に発生するため、適切な数のWeb ACLを維持することがコスト管理の第一歩です。

大規模な環境でも、リソースをグループ化して最小限のWeb ACLで管理することで、無駄なコストを抑えられます。

(2)ルール料金

AWS WAFのルール料金は、作成するルールごとに発生し、1ルールあたり月額1ドルの固定費用となります。

例えば、10個のルールを適用する場合、月額10ドルの費用がかかります。

なお、AWS WAF公式が提供するマネージドルール「AWS Managed Rules for AWS WAF」を追加する場合、基本料金は一部の機能を除き1つにつき月額1ドル、リクエスト料金0.6ドル/100万リクエストの従量制で課金されます。

しかし、その内部のルール数に対する追加料金は発生しません。

AWSマーケットプレイスから提供されるマネージドルールグループをサブスクライブする場合は、提供元による料金設定に基づいて追加料金が請求されます。

設計時のポイントは、必要なセキュリティレベルを維持しつつ、ルール数を必要最小限にすることです。

定期的なルールの見直しや、AWSマネージドルールの活用がコスト最適化に有効です。

(3)リクエスト料金 (従量課金)

AWS WAFのリクエスト料金は、実際に処理したトラフィック量に比例する従量課金制です。

月額100万リクエストあたり0.60ドルの単価が適用されます。

また、場合によっては以下のような追加料金がかかるケースも考えられます。

追加料金① WCU超過分

Web ACLに設定したルールの合計WCUが1500を超えた場合、超過した500 WCUごとに、100万リクエストあたり0.20ドルの追加料金が発生します。

<WCUとは?>

WCUは「Web ACL Capacity Unit」の略で、各ルールが消費する処理能力の単位のこと。

追加料金② リクエスト本文のサイズ

リクエスト本文のサイズが16KBを超える場合、16KB超過分に対して一律の追加料金(0.30ドル/100万リクエスト)が発生することに注意が必要です。

大容量ファイルのアップロード機能があるサービスでは、コスト増加につながる可能性があります。

2、AWS WAFの料金シミュレーション

AWS WAFの料金体系を、サービス規模別に当てはめて具体的なコスト計算例を見ていきましょう。

以下のようなケース別の試算例があります。

・小規模サイトのケース
・中規模ECサイトのケース(マネージドルール利用)
・大規模サービスのケース

自社のトラフィック量やサイト規模に合わせてこれらのモデルを参考にし、Web ACLやルール構成を最適化すれば、無駄な出費を抑えながらセキュリティを確保できます。

(1)小規模サイトのケース

月間100万リクエスト程度の小規模サイトの場合、コストは主に固定費と従量課金で構成されます。

Web ACL1つ(5ドル/月)と「カスタムルールを5つ利用した場合(1ドル×5)」で合計10ドルが目安です。

リクエスト料金は0.60ドルで、月額合計10.60ドルが必要なコストになる計算です。

コスト内訳例

項目

金額

Web ACL基本料金

5ドル/月

ルール5つの追加料金

5ドル/月

100万リクエスト分

0.60ドル

合計

10.6ドル/月


出典:AWS Pricing Calculator

(2)中規模ECサイトのケース(マネージドルール利用)

月間1000万リクエストを処理する中規模ECサイトの場合、AWS WAFの基本料金とマネージドルールを組み合わせた構成が考えられます。

Web ACL1つ(700WCU使用)とAWSマネージドルールを適用した場合、月額料金は下記の通りです。

コスト内訳例

項目

金額

Web ACL基本料金

5ドル/月

マネージドルール追加料金

1ドル/月

リクエスト料金

1000万件=6 ドル/月

合計

12 ドル/月

出典:AWS Pricing Calculator

Web ACL基本料金は月額5ドル、ルール(マネージドルール含む)は1ルールあたり1ドル/月、リクエスト料金は100万件あたり0.60ドルです。

マネージドルールは1グループ1ドルで、Web ACL 1つ+マネージドルール1つ+1000万リクエストの場合、5+1+6=12ドルとなります。

WCU数による追加料金は1500WCU超過時のみ発生するので、700WCUでは追加コストはかかりません。

(3)大規模サービスのケース

大規模サービスのAWS WAFコストは、主にリクエスト数とルール構成の数・内容によって変動します。

月間1億リクエストを処理する場合、リクエスト課金額は60ドル/月です。

複数のカスタムルールやマネージドルールグループを組み合わせると、WCU(Web ACL Capacity Units)の消費が増え、1,500を超えると追加課金が発生する可能性があります。

追加料金が発生しないシンプルな構成でのコスト内訳は以下の通りです。

コスト内訳例

項目

金額

Web ACL(3個)

15ドル

カスタムルール(合計15個)

15ドル

1億リクエスト処理

60ドル

合計

90ドル

出典:AWS Pricing Calculator

3、AWS WAFのコストを削減する4つの戦略

AWS WAFのコストを削減するには、以下のような戦略が有効です。

・不要なWeb ACLやルールを削除する
・レートベースのルールを効果的に使う
・CloudFrontと組み合わせる

これらを定期的に見直し、ログやメトリクスで効果を検証することで、セキュリティを維持しつつ無駄な支出を抑えられます。

(1)不要なWeb ACLやルールを削除する

未使用のWeb ACLを放置すると月額5ドルの基本料金が発生し続けます。

コンソールから関連付け解除後に削除することで、コストを削減できます。

削除手順は以下のとおりです。

手順1: 関連付けられたAWSリソースの解除

まず、Web ACLからすべてのAWSリソースの関連付けを解除します。

AWS WAF コンソールにサインインします。
・Web ACLがどのリージョンにあるかを確認します。
・CloudFront用のWeb ACLは「Global (CloudFront)」を、それ以外のリソース(ALB, API Gatewayなど)用は該当するリージョンを選択してください。
・ナビゲーションペインで「Web ACLs」を選択し、削除したいWeb ACLの名前をクリックします。
・「Associated AWS resources」 タブを開きます。
・ここに関連付けられたリソースの一覧が表示されます。
・リソースを選択し、「Disassociate」 ボタンをクリックします。
・確認ダイアログが表示されるので、内容を確認して解除を実行します。
・関連付けられているリソースが複数ある場合は、すべてなくなるまでこの操作を繰り返します。
・一覧に何も表示されなくなれば、この手順は完了です。

手順2: Web ACLの削除

すべての関連付けが解除されたら、Web ACL本体を削除できます。

・Web ACLの一覧画面に戻ります。
・削除したいWeb ACLにチェックを入れ、「Delete」 ボタンをクリックします。
・確認画面が表示されます。削除を確定するために、テキストボックスに「delete」と入力し、「Delete」 をクリックします。

注意点として、会社のセキュリティポリシーなどでAWS Firewall Managerを利用してWAFルールを一元管理している場合は、上記の手順では削除できないことがあります。

その場合は、まずFirewall Managerのポリシーから対象リソースを削除する必要があります。

参照:AWS|ルールの削除

(2)レートベースのルールを効果的に使う

レートベースルールは、DDoS攻撃対策に有効であり、適切に設計・運用すればAWS WAFのコスト削減にも寄与します。

同一IPアドレスからの過剰なリクエストを自動的にブロックできるため、ブルートフォース攻撃やDDoS攻撃によってリクエスト料金が急増するのを防ぎます。

これにより、予期せぬコストの発生を抑え、結果としてコスト効率の良いセキュリティ対策を実現できます。

(3)CloudFrontと組み合わせる

AWS WAFをCloudFrontと組み合わせることで、CloudFrontのエッジロケーションで悪意のあるリクエストを遮断し、オリジンサーバーの負荷軽減とセキュリティ強化を実現できます。

さらに、CloudFrontのセキュリティ割引バンドルを活用することで、コスト最適化も両立できます。

CloudFrontのキャッシュ機能により、キャッシュヒットしたコンテンツはオリジンサーバーへのリクエストが発生しません。

さらに2024年10月25日より、Amazon CloudFront はAWS WAF によってブロックされたリクエストに対してデータ転送料金の課金をしなくなりました。

そのため、WAFで悪意のあるリクエストをブロックすることにより、CloudFront側のコストを節約できます。

4、コスト管理に役立つAWSのツール

AWS WAFのコストは、設定やトラフィック量によって変動します。

「いつの間にか高額になっていた」という事態を防ぐために、AWSが提供する以下2つのツールを活用して、コストを賢く管理しましょう。

・AWS Cost Explorer
・AWS Budgets

これらを併用して使用履歴を可視化しつつ予算アラートを設定すれば、突発的なコスト増を早期に察知し、計画的な費用コントロールが可能になります。

(1)AWS Cost Explorer

AWS Cost Explorerは、AWSの利用コストを時系列で分析し、コスト増加の要因を特定できるツールです。

基本的なコストと使用状況の表示は無料で利用できます。

過去12か月分のデータをさかのぼって確認でき、1時間単位の詳細な使用状況も把握できます。

■Cost Explorerができること

機能

説明

コストの内訳分析

サービス単位やタグ付けしたリソースごとの料金を可視化し、削減対象を特定(Web ACL単位の分析にはタグ付けや手動集計が必要)

時系列での変化の追跡

リクエスト急増日やルール追加タイミングなど、コスト変動の原因を日別で分析

フィルタリング機能

複数のWeb ACL運用時に特定のWeb ACLのコストのみを抽出して分析

まずはCost Explorerで「AWS WAF」と検索し、現状のコストを確認することから始めましょう。

(2)AWS Budgets

AWS Budgetsは、AWS利用料金の予算管理に特化したツールです。

アクションが有効な予算のうち、2つまでは無料で利用できます。

月間・四半期・年間の予算を設定し、実際の使用量がしきい値を超えた際にメールやAmazon SNSで通知を受け取れます。

コスト管理だけでなく、使用量ベースの予算設定も可能です。

■AWS Budgetsの便利な使い方

機能

説明

シンプルな予算設定

サービス単位で月額予算を簡単に設定(例:AWS WAF 50 ドル/月)

段階的なアラート

予算の80%、100%など複数のしきい値でアラート設定し早期対策を実現

AWS Cost Explorerで現状を把握し、AWS Budgetsで未来のコストを監視する。

この2つのツールを組み合わせることで、AWS WAFのコスト管理は格段に楽になります。

まとめ

本記事では、AWS WAFの料金体系と効果的なコスト管理方法を解説しました。

基本料金構造から実際の使用例、そして4つの具体的なコスト削減戦略まで、幅広くご紹介しました。

WAFのセキュリティ価値を最大化しながら予算内で運用するためのポイントを理解することで、クラウドセキュリティと経済性を両立させることができます。

ぜひこれらの知識を活用して、最適なAWS WAF導入・運用計画を立ててください。

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